大判例

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東京高等裁判所 昭和53年(ラ)350号 決定

よって考えるに、一件記録によれば、抗告人主張のとおりに右各決定のなされたことが明らかであるところ、右債権差押、取立命令に表示された債務者「東京都千代田区九段南四丁目八番二一号旭交易株式会社代表者代表取締役片岡卓爾」と右更正決定によって更正、表示された債務者「東京都中野区東中野二丁目一七番九号旭交易株式会社保全管理人上野久徳」(抗告人)とが法律上人格を異にするものであることは抗告人主張のとおりであるが、一件記録に徴すれば、相手方が昭和五三年二月二〇日右債権差押、取立命令を申請した当時においては既に同月一三日旭交易株式会社は東京地方裁判所から保全管理人による管理を命ぜられ、抗告人がその保全管理人に選任されていたものであるところ、相手方において、右申請当時にそのことを知っていたならば、右申請に保全管理人たる抗告人を債務者として表示したもので、偶々これを知らなかったため誤って債務者を「旭交易株式会社代表者代表取締役片岡卓爾」と表示したに過ぎないものであり、その真意は抗告人を表示するにあったことが明らかであって、相手方の債務者の表示は明白な誤謬というべく、これに基づき右裁判所が右債権差押、取立命令をなすにあたって債務者を「旭交易株式会社代表者代表取締役片岡卓爾」と表示したことも明らかであって、これまた明白な誤謬というべきである。したがって、原審が右債権差押、取立命令の債務者の表示を抗告人名義に更正したのは適法といわなければならない。

(小林 鈴木 河本)

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